舞台公演アンケートへの向き合い方
今ちょうどWebからの公演アンケート(の下書き的なもの)を書いているところなので、アンケートの話をします。
私は基本的にアンケートはしっかり書きたいタイプの人間だけれど、イマイチだった演目のアンケートって、一番さじ加減が困る。
出来の良くない演目って、見終わった直後は本音では「めちゃめちゃにこき下ろして悪し様に罵りたい!」と思ってしまうのだけれどそこはグッと我慢して、結局いつも「一番良かった役者」として推しの名前を書き、具体的にどこのシーンの台詞が、所作が、表情が、声の出し方が……と推しに関して良かった点を念入りに褒めちぎり、あとはそれ以外に照明や音響や衣装が好印象であればその辺を賛美し、推し以外の役者さんでいい人がいればその人も褒める。
結果、推しへの褒めとそれ以外の要素への褒めが、だいたい8:2くらいの比率になる。
推しは常に100点満点評価で200点くらい叩き出してくるから、褒めポイントに困らなくてありがたいですね。
今書いているアンケートの公演は、こんな↓感じなので中々しょっぱい。
- ちゃんと衣装やヅラやステージセットに金がかかってる
- 脚本が素人で演出家もセンスない
- 出演者はちゃんとうまい人もいるけれど個人的に合わないなぁと感じる人が複数名いる
- 推しは役も演技も最高
「制作体制や演出や脚本がボロクソでも役者さんは良かった」というパターンは、まぁまぁある。そういう時はやっぱりできるだけポジティブな内容をアンケートに書きたい。良かったところ探しに徹した方が、単純にこちらの気分も良いから。
そんな風に必死になってアンケートを書いたところで読まれていないという可能性もあるけれど、ちゃんと読まれていて該当の出演者やスタッフに声が届いている線だって十二分にあるから、モチベーション維持に繋がったらいいなぁと思いながら、脚本や演出への憤りにフタをする。
わざわざチケット代や交通費を支払いながら文句の一つも言えない。割と苦行だけど、でもまぁ仕方がない。
一方で、クオリティの高い舞台は気持ちを押し殺す事なく好きなだけ全方位に向けて褒め言葉を書き綴れるから最高〜!
2018年に推しが出演した某舞台(東宝主催)がとても素晴らしくて、東京公演初日の観劇の衝撃が強すぎて感想を現地で書ききれず、とりあえず三行くらいの簡単な感想だけ書いてその場は提出した。帰宅後にPCで感想を長々と打ち出してプリントアウトしたやつを、2回目の観劇の際にアンケート用紙の裏に両面テープで貼り付けて回収箱に入れた事もあったり。
魅力的な演目は湯水のごとく賛美の言葉が溢れてくるからアンケートに書く内容がどうしても冗長になりがちで、でも出演キャストがみんな素晴らしくて舞台装置も衣装も音楽も演出も脚本も全部好きだったら、まぁそりゃ長くもなるよね。
アンケートって観客全員が書くわけではないし、一言二言で済ます人も多い。苦言しか書かない人もいると思う。でもその中で、褒め言葉主体の熱心なアンケート(怪文書とも言う)が紛れ込んでいたら制作サイドの印象に、良くも悪くも残るかもしれないなー……とも思う。
その辺を期待して、今日もオタクは出来るだけ丁寧で公平な内容を心がけつつも、念入りに「推しをよろしくおねがいします!」の邪念を込めるのだ。
大好きな舞台作品が日テレプラスで放送されるから見て欲しい話
タイトルのまんまのダイレクトマーケティングです。
この記事を見て、演目に対してなんとなく興味を持ってくれたら嬉しいなと思います。すでに日テレプラスが視聴できる環境の方は、ぜひ録画なりリアタイ視聴なりしてみて下さいよろしくお願いします!
※なお私はW主演のお二方のファンではありません。
肝心の演目はこちら。
🔹「2.5次元ナビ!( @25jigenNAVI )」MC平野良の舞台特集🔹
— 日テレプラス (@nitteleplus) February 25, 2019
高殿円原作「インフェルノ」の舞台化#植田圭輔 #平野良 W主演
【3/11(月)午後8:50、[再放送]3/29(金)深夜3:20】https://t.co/DOJRkrsf1Q pic.twitter.com/PkRlOu19x4
◎演目の詳細
2016年9月上演の作品です。出演者やあらすじ、演出家の情報は⬆のリンク先を見て下さい。
スタッフとキャストが7割くらいメサイアで構成されていますが、内容は別にリンクしていません。作品の手触り的には、メサイアよりもノリが軽妙だと思います。
演目の特徴としてはこんな感じ。
- ナイフと拳銃を用いたアクションシーンが多い
- スーツを着用したキャラが多い
- キャラの大半がコンビ売りで公式がその関係性を強烈に推してくる(兄弟、父子、幼馴染、元敵同士etc)
- 奈落落ちがある(Gロッソならでは)
- いい声の出演者が多い
- ガチョウや蟹をおんぶ紐で背負うビジュアルのインパクト
※ゲネの動画
舞台『インフェルノ』公開ゲネプロをチラッと見せ!植田圭輔、平野良らによる近未来サスペンス・アクション - YouTube
◎原作と舞台の話
この舞台、講談社から出ているコミックス(全5巻/完結済み) が原作で、大雑把に言ってしまうと「原作1〜2巻の内容をベースにして色んな人(主に女性キャラ)の存在を省いてオリジナル展開を交えつつまとめたダイジェスト版」みたいな感じです。
公演脚本を執筆したのは原作者の方なので原作の味わいはそのまま。ただ、原作であんまり存在感のなかったキャラがめっちゃキャラ立ちしているし、原作で明かされていない設定も先行して出て来るし、大元の原作をそのままなぞった舞台化ではない。結構違いのある仕上がり。(個人的には舞台版のテイストの方が好き)
そんな感じなので、原作付き作品にありがちな「予習」はぶっちゃけ必要ないです。
私自身、観劇前にコミックスを買って読んでから挑んだものの、
「イリヤ(人名)って誰!?」
「オリーブとアンクって原作でこんなに出番ありましたっけ!?」
「原作(コミックが2巻まで出てた時期)でのブラックサンタって名前とシルエットくらいしか出てきてなかったじゃん!」
「お姉様と幼馴染と赤城の人の存在が消滅してる!」
と驚きの連続。
あくまでも原作のストーリーやキャラの関係性といった肝心な部分は維持しつつも、舞台公演向けに再構築した構成という感じなので、原作を知らないほうが逆にすんなり理解できるかも……。というか、原作既読者ほど混乱するかも。
舞台版を見た後に、原作が気になったら読むくらいの気持ちで丁度よい感じだと思います。
なお、原作は講談社の無料アプリで読めたりします。
【新連載】
— 【公式】Palcy(パルシィ)@『君がウソをついた』全話開放中! (@palcy_jp) February 15, 2019
高殿円 × RURU、豪華コンビが贈る話題作
【#インフェルノ】
Palcyで毎日連載スタート✨
マフィアの御曹司と、彼を守る最強の男…。
血のつながらない親子の絆の物語。#メサイア #コードエッジ 好きの読者様、ぜひご覧ください❣️https://t.co/dIo97yuQ0i#高殿円 #RURU #パルシィ
◎DVD
表題からは逸脱しますが、Amazon出品で新品の円盤も買えます!
あと、身近にDVD持ってる人がいたら借りて見てみるのもいいと思います。
https://amazon.jp/dp/B01KXC6M2E/
◎放送日
初回の放送日は「3月11日(月) 20:50」で再放送が「3月29日(金) 27:00」です!
見逃しても安心の二段構え!
◎舞台作品の放送が力入ってる
劇シャイ、刀ステ、ペダステも放映するそうなのでぜひ。
◎視聴方法
◎おわりに
この舞台が好きすぎて当時Gロッソに通いつめ、原作コミックスを全巻揃え、今では亡霊と化している私です。
観劇歴4年目(2016年当時)にして、観劇オタクにありがちな「同じ演目を繰り返し何度も現地で見るんだけど何度見ても楽しくて楽しくて仕方がない」パターンを発症。
今でも時々DVDを見返しているけれど、それでもまだ楽しく見れるからすごい。
コミックでもノベライズでもいいから続編来ないかなー!
もちろん一番嬉しいのは舞台の続編。もういっそ再演でもいいんだけど。
何卒お願いします講談社さん。
やっぱり板の上の推しが好き
私の推し活スタンスは、『作家買い』に似ていると思う。
「この作家(小説家やマンガ家や劇作家、歌手やアイドルやバンドなど発信する人全般)の作品はどれもハズレがない!」みたいなやつ。
そこまで諸手を挙げて全肯定できるほどの存在との出会いが、果たして一般的なものなのかは分からないけれど、でも多かれ少なかれそういう経験をしたことがある人は割と多いんじゃないのかなぁと思う。
私にとっては、推しがまさにそうだ。
2012年に推しの存在を初めて知った時、初見でぼんやりと「整った顔立ちの人だな」と思った事を、やけにハッキリと覚えている。推しはデビューしたばかりで、当時好きだった某二次元作品の舞台版に出演する役者のうちの一人でしかなかった。顔と名前がギリギリ一致する程度の存在。
私は原作ファン出身のキャストファンで、それまで舞台俳優を推した事はなかった。
以降、幾度か舞台で姿を見る機会があって、初めて推しを見るため「だけ」にチケットを取ったのが2013年の冬だった。
それからはもうずーっと推しを追いかけて現在に至るわけだけれど、さすがに5年以上も推し続けていると見に行く舞台のクオリティが毎度高いわけではない。所謂クソ舞台ってやつにも何度苦しめられてきたか。
途中紆余曲折ありながらも、幸運な事に私は魅力的な舞台作品にも数多く出会えたし、いつだって誠実に仕事をこなす推しの事を今でも好きでいられる。
脚本や演出や役柄との相性はとても重要だけれど、でも結局推しによる役への取り組み方や推しの感情の発露や殺陣の優雅さや板の上での佇まいが決め手なんだと思う。
推しの芝居も殺陣もアクロバットも声も全部ひっくるめてパフォーマンスが好きだし、今思い返せば初見の時から顔も好みだったんだと思う。当時はビジュアルに関してそこまで強烈なインパクトがあったわけではないけれど。
生で演じる推しの姿を見ても、過去出演作のDVDを見ても、どんな演目であっても、やっぱり板の上に立っている推しは最高だった。
推せる人が不器用ながらも誠実に演目と向き合い、不特定多数へ向けて発信し続けてくれている事に感謝したい。
顔、声、芝居、アクション、殺陣、演目に対する姿勢。全部手放しで肯定できる。
ここまで来たら盲目ヲタと言っても過言ではないと思う。自戒。
いつ何時なにがあるか分からないのだし、舞台の仕事をやめてしまうかもしれない。
そうなった時に、私の中に悔いが残らないように推しを見守っていきたい。
私が推しを好きでい続けられるのも、推しのたゆまぬ努力と誠実さのお陰だから。
最後の日が来るまで「推しは最高だ!」と叫び続けたいし伝え続けていきたい。
願わくば、推しが長く舞台というフィールドの上で生き続けてくれますように。
観劇メモ(2019年2月上旬)
推しの出演舞台を見に行くのは、昨年の10月ぶり。
脚本演出家は初見で、「名前は見たことがある人だなー」程度の認識。
あらすじを読んだ時点での「自分には合わなさそう!」というファーストインプレッションが物凄かったので公演終盤の日程に1枚しか取らなかったけれど、結果として判断は間違ってなかったからやはりオタク特有の第六感は信頼できる。
座席は全席指定で、2列目の真ん中寄りを狙って取ったらめちゃくちゃ見やすかった。
- 場所
都内の小劇場(キャパ100席)。ここのところキャパ700〜1000規模の会場の公演への出演が続いていたから、尻に優しくない椅子が逆に懐かしくもあり。
- 推しの役どころ
他の登場人物とは明らかに違う異質な雰囲気で、揉め事の発端みたいな人。愛情が重すぎる。臆病。
- 世界観
劇中の世界は現代社会とすごく良く似ていて、でもちょっと違う世界線みたいな印象。
その辺は見ていればなんとなく分かるんだけど、はっきりと名言されるわけではないから客によっては分からない人もいるかも知れないし、それが少しややこしいストーリー面に対する理解の妨げになっているかも…。
もう少しファンタジー寄りの衣装だったらなぁ。惜しい。
- ストーリー
鬱屈としたスラム街の中の、小さなコミュニティ内の揉め事に終始している。
基本的に「群れなきゃなにも出来ない上にすぐ大声を出して他人を威嚇して暴力に訴えるバカ」と「メンヘラ」と「厭味ったらしい煽り屋」しか存在しない世界だから、些細な事を発端に当たり前のように揉め事が起きまくる。結構な地獄。
- 脚本演出
全体的に倫理観が合わない。
「頭のいい人物」として配置されているキャラクターですら作中での言動がガッカリな感じなので、これはもう書き手の問題としか……。
「こういう事がやりたいんだろうなぁ」と察する事は出来るのだけれど、今ひとつ洗練されていない。何でもかんでも(説明しなくてもいいレベルのことまで)台詞で描写するから、めちゃくちゃダレる。
主演の説明台詞がとても多く、演者の技量が足りていないのでなかなかの残念っぷり。
説明台詞は技術力のある人にやらせないと、やっぱりダメだねという再認識。
見終わった後に頭のなかに疑問符が浮かんだし見た後に心に残るものは何もなかったけれど、キレ散らかしたくなる程ではなかったかな。
そもそも前提としてハードルめちゃくちゃ下げて挑んでるからアレなんだけども……。
- 良かったところ
推しの圧倒的な存在感、推しのメリハリのあるしっかりとした台詞回し、場面場面での推しの表情の繊細さ、推しの舞台上での立ち回り、推しの悲嘆の痛切さ。
やっぱり推しは最高だなーと実感できてよかった。
推しを推し続けて6年目に突入したけど、これからも頑張れそうです。
ありがとう推し。
あと、帰りに立ち寄った池袋の油そばがおいしかったです。また行きたい。
推しにハマってから関心の範囲が狭まったと思う
ここ5年くらい推しのことにしか興味持てていなくて、アニメやマンガやゲームも手につかない。
良くない傾向だから他のことにもカジュアルにハマりたいんだけれど、何をしていても結局推しの事を考えている。
興味を持てる対象(コンテンツ)を複数持っている状態が理想的だなと思っているんだけれど、中々うまくいかない。
単純に視野狭窄に陥ってるだけかも知れない。
とりあえず読書は続いている趣味だけれど、推しが演じた役や推しが出演した作品の原点とか元ネタとかオマージュ元の作品に触れると顔がチラついてしまって疲れる。
リアルタイムで盛り上がっているコンテンツにハマる事ができれば気も紛れるんだろうけど、何をやっていてもうわの空でダメ。
推しが人前に出る仕事を、少なくともあと10年くらいは続けてくれることを祈るしかない。
結局のところ私は推しのお芝居や仕事に対する取り組み方が好きなんだ。
推しは推せるし、尊敬している。