やっぱり板の上の推しが好き
私の推し活スタンスは、『作家買い』に似ていると思う。
「この作家(小説家やマンガ家や劇作家、歌手やアイドルやバンドなど発信する人全般)の作品はどれもハズレがない!」みたいなやつ。
そこまで諸手を挙げて全肯定できるほどの存在との出会いが、果たして一般的なものなのかは分からないけれど、でも多かれ少なかれそういう経験をしたことがある人は割と多いんじゃないのかなぁと思う。
私にとっては、推しがまさにそうだ。
2012年に推しの存在を初めて知った時、初見でぼんやりと「整った顔立ちの人だな」と思った事を、やけにハッキリと覚えている。推しはデビューしたばかりで、当時好きだった某二次元作品の舞台版に出演する役者のうちの一人でしかなかった。顔と名前がギリギリ一致する程度の存在。
私は原作ファン出身のキャストファンで、それまで舞台俳優を推した事はなかった。
以降、幾度か舞台で姿を見る機会があって、初めて推しを見るため「だけ」にチケットを取ったのが2013年の冬だった。
それからはもうずーっと推しを追いかけて現在に至るわけだけれど、さすがに5年以上も推し続けていると見に行く舞台のクオリティが毎度高いわけではない。所謂クソ舞台ってやつにも何度苦しめられてきたか。
途中紆余曲折ありながらも、幸運な事に私は魅力的な舞台作品にも数多く出会えたし、いつだって誠実に仕事をこなす推しの事を今でも好きでいられる。
脚本や演出や役柄との相性はとても重要だけれど、でも結局推しによる役への取り組み方や推しの感情の発露や殺陣の優雅さや板の上での佇まいが決め手なんだと思う。
推しの芝居も殺陣もアクロバットも声も全部ひっくるめてパフォーマンスが好きだし、今思い返せば初見の時から顔も好みだったんだと思う。当時はビジュアルに関してそこまで強烈なインパクトがあったわけではないけれど。
生で演じる推しの姿を見ても、過去出演作のDVDを見ても、どんな演目であっても、やっぱり板の上に立っている推しは最高だった。
推せる人が不器用ながらも誠実に演目と向き合い、不特定多数へ向けて発信し続けてくれている事に感謝したい。
顔、声、芝居、アクション、殺陣、演目に対する姿勢。全部手放しで肯定できる。
ここまで来たら盲目ヲタと言っても過言ではないと思う。自戒。
いつ何時なにがあるか分からないのだし、舞台の仕事をやめてしまうかもしれない。
そうなった時に、私の中に悔いが残らないように推しを見守っていきたい。
私が推しを好きでい続けられるのも、推しのたゆまぬ努力と誠実さのお陰だから。
最後の日が来るまで「推しは最高だ!」と叫び続けたいし伝え続けていきたい。
願わくば、推しが長く舞台というフィールドの上で生き続けてくれますように。